2012年11月16日環境省交渉申し入れ書
2012年11月16日 環境省交渉申し入れ書
平成23年法律第99号「東日本大震災により生じた災害廃棄物の処理に
関する特別措置法」は憲法違反なので検証していただく申し入れ書
宮城県女川町の災害ガレキを受け入れに関する特別措置法
(平成23年法律99号)は憲法の趣旨に違反し被災地支援の実情に
見合わない為、災害瓦礫を受け入れないで下さい。
各自治体のごみ処理施設は、ごみ処理を適切な方法で行なうことにより、
市民に衛生的で健全な環境を維持・提供することを目的に作られています。
災害瓦礫を受け入れ焼却を行なうことは、以下の理由により
地方公共団体としての存在自体を損ない地方自治の根幹を失います。
(趣旨)
第一条 この法律は、東日本大震災により生じた災害廃棄物の処理が喫緊の課題となっていることに鑑み、国が被害を受けた市町村に代わって災害廃棄物を処理するための特例を定め、あわせて、国が講ずべきその他の措置について定めるものとする。
※災害瓦礫の県内処分を地元雇用に活用すべきところを、広域処理を優先し
復興を妨げている現状は、この特措法の主旨に疑問を抱かざるを得ない。
(国の責務)
第三条 国は、災害廃棄物の処理が迅速かつ適切に行われるよう、主体的に、市町村及び都道府県に対し必要な支援を行うとともに、災害廃棄物の処理に関する基本的な方針、災害廃棄物の処理の内容及び実施時期等を明らかにした工程表を定め、これに基づき必要な措置を計画的かつ広域的に講ずる責務を有する。
※あくまでも主体性は地方自治体にあり、国はその復興の援助をするに
とどめなければおかしい。
方針や処理の内容にまで、干渉してはならない。
(国による災害廃棄物の処理の代行)
第四条 環境大臣は、東日本大震災に対処するための特別の財政援助及び助成に関する法律(平成二十三 年法律第四十号)第二条第二項に規定する特定被災地方公共団体(以下「特定被災地方公共団体」という。)である市町村の長から要請があり、かつ、次に掲げる事項を勘案して必要があると認められるときは、当該市町村に代わって自ら当該市町村の災害廃棄物の収集、運搬及び処分(再生を含む。以下同じ。)を行うものとする。
二 当該災害廃棄物の処理に関する専門的な知識及び技術の必要性
2 環境大臣は、東日本大震災復興対策本部の総合調整の下、関係行政機関の長と連携協力して、前項の規定による災害廃棄物の収集、運搬又は処分を行うものとする。
3 環境大臣は、第一項の規定により災害廃棄物の収集、運搬又は処分を行う場合において、必要があると認めるときは、関係行政機関の長に協力を要請することができる。
4 第一項の規定により災害廃棄物の収集、運搬又は処分を行った環境大臣については、廃棄物処理法第十九条の四第一項の規定は、適用しない。
※市町村の長が市議会の議決を経ずに国に業務の代行を求める要請をするのは、市政の執行機関である市長としての責務を放棄していることになる。
また環境大臣が地方自治体の議決を無視して広域処理の依頼をするのは、地方自治法第一条を侵害する行為である。
(費用の負担等)
第五条 前条第一項の規定により環境大臣が行う災害廃棄物の収集、運搬及び処分に要する費用は、国の 負担とする。この場合において、同項の市町村は、当該費用の額から、自ら当該災害廃棄物の収集、運搬及び処分を行うこととした場合に国が当該市町村に交付すべき補助金の額に相当する額を控除した額を負担する。
2 国は、特定被災地方公共団体である市町村が災害廃棄物の収集、運搬及び処分を行うために要する費用で当該市町村の負担に属するもの(前項後段の規定により負担する費用を含む。以下「被災市町村負担費用」という。)について、必要な財政上の措置を講ずるものとする。
3 国は、前項に定める措置のほか、災害廃棄物の処理が特定被災地方公共団体である市町村における持 続可能な社会の構築や雇用の機会の創出に資することに鑑み、地域における持続可能な社会の構築や雇用の機会の創出に資する事業を実施するために造成された 基金の活用による被災市町村負担費用の軽減その他災害廃棄物の処理の促進のために必要な措置を講ずるものとする。
※公金負担の財源は国民が復興税として今後25年間支払わなければならないので、経費の縮減をするのは国と地方自治体の責務である。
(災害廃棄物の処理に関して国が講ずべき措置)
第六条 国は、災害廃棄物に係る一時的な保管場所及び最終処分場の早急な確保及び適切な利用等を図る ため、特定被災地方公共団体である市町村以外の地方公共団体に対する広域的な協力の要請及びこれに係る費用の負担、国有地の貸与、私人が所有する土地の借入れ等の促進、災害廃棄物の搬入及び搬出のための道路、港湾その他の輸送手段の整備その他の必要な措置を講ずるものとする。
2 国は、災害廃棄物の再生利用等を図るため、東日本大震災からの復興のための施設の整備等への災害廃棄物の活用その他の必要な措置を講ずるものとする。
3 国は、災害廃棄物の処理に係る契約の内容に関する統一的な指針の策定その他の必要な措置を講ずるものとする。
4 国は、災害廃棄物の処理に係る業務に従事する労働者等に関し、石綿による健康被害の防止その他の労働環境の整備のために必要な措置を講ずるものとする。
5 国は、海に流出した災害廃棄物に関し、その処理について責任を負うべき主体が必ずしも明らかでないことに鑑み、指針を策定するとともに、早期に処理するよう必要な措置を講ずるものとする。
6 国は、津波による堆積物その他の災害廃棄物に関し、感染症の発生の予防及び悪臭の発生の防止のた めに緊急に必要な措置を講ずるとともに、早期に、必要に応じ無害化処理等を行った上での復旧復興のための資材等としての活用を含めた処理等を行うよう必要 な措置を講ずるものとする。
※第6条の4にあたる労働環境の改悪に際しての対応措置が全く無い状態で、一般のごみ焼却施設において焼却処理をすることはまかりならない。
第6条の5にあたる指針が、まだ策定できていない。
第6条の2・6における措置を優先事項としなければ、復興への資材調達も被災地負担になるので広域処理で災害瓦礫を消費してしまうのは本末転倒である。
以上をもって災害瓦礫の広域処理を反対し、迅速で堅実な被災者支援を申し入れ致します。
災害瓦礫は全国どこであっても、安易に焼却処分してはなりません。
環境大臣 殿
平成24年11月16日
障害者の立場から考える被災地支援の会
災害瓦礫の受け入れと焼却は、大気汚染に係る健康障害を
増悪させるので反対する申し入れ書
災害瓦礫の広域処理は『日本国憲法第13条、25条』、ならびに『大気汚染防止法』に違反しています。
東京都においては、『都民の健康と安全を確保する環境に関する条例』の総則の目的に違反し、都民の健康障害を増悪させて『大気汚染に係る健康障害者に対する医療費の助成条例』の 医療費の助成負担を増加させております。
平成8年から6次にわたって、移動発生源による大気汚染の健康被害に対する 損害賠償等を求める「東京大気汚染訴訟」が提起されました。
平成19年8月8日、東京高裁及び東京地裁において和解が成立しました。
この和解条項の一つとして、都が都内の気管支ぜん息患者に対する医療費助成を 行うこととされ、平成20年8月に気管支ぜん息について小児から成人までの 全年齢に対象が拡大されました。
大気汚染の移動発生源とは自動車排気を指し、大気中粒子状物質(SPM)が 健康に大きな影響を与えます。
その中でもさらに粒径の小さいPM2.5と呼ばれるSPMやディーゼル車から
排出される微粒子(DEP)は、健康被害が指摘されています。
PM2.5は発生源から直接排出される一次粒子と、大気中での光化学反応等により ガス成分(VOC、NOx、SOx1等)から生成される二次粒子に分類されます。
更に一次粒子は、自然起源と人為起源に分類されています。
都市ごみ焼却施設も人為起源の固定発生源として、国際標準化機構(ISO)のもと 排ガス中濃度測定法のISO規格化が進められています。
国は平成21年9月9日に中央環境審議会で、大気中のPM2.5濃度の環境基準を告示しました。
1年平均値が15μg/m3 以下であり、かつ、1 日平均値が35μg/m3 以下であること。
これを受けて東京都環境局では、一般環境大気測定局におけるPM2.5自動測定機設置計画を 実施しています。 しかし全国的に黄砂の影響などで環境基準が非達成になる測定局も相当数あり、 複合汚染が懸念されるなかでこれ以上の環境汚染は避けなければなりません。
喘息や呼吸器疾患の増悪を助長する災害瓦礫の広域処理と焼却は日本国憲法と大気汚染防止法に違反し、国民の健康を侵害して医療費の負担を増加させ、生計を逼迫するので認められません。
そして児童の健康と安全な暮らしを保障するのは、児童福祉法・児童憲章・児童の権利条約によって国際的に求められている国家の責任であり国民の義務です。
災害瓦礫は広域処理ではなく、なるべく県内処理をして地元雇用を促進し復興に充てるのが望ましく、全国どこであっても安易に焼却処分をしてはいけません。
私達は環境省と災害瓦礫広域処理の受け入れ自治体が被災者の身になって真摯に考え、迅速で着実な支援をして戴きたくここに申し入れを致します。
平成 24年 11月 16 日
環境大臣 殿
障がい者の立場から考える被災地支援の会
以上、『障がい者の立場から考える被災地支援の会』より
2通の申し入れを行いました。